2次モニタリング

日中韓2次モニタリング

日中韓の質保証機関(大学評価・学位授与機構(当時)、中国教育部高等教育教学評価センター(当時)、韓国大学教育協議会)は、「キャンパス・アジア」パイロットプログラム(10件)に対する2次モニタリングを2015~2016年に共同で実施しました。2次モニタリングの実施にあたっては、2013~2014年に各国で実施した1次モニタリングの基準・手法・結果を比較分析した上で、共同モニタリング基準をはじめとする共通の枠組みを構築しました。

実施体制・手順

2次モニタリングの実施にあたっては、高等教育の国際化や国際共同教育プログラムの知見を有する日中韓の学識経験者・有識者及び質保証機関関係者等からなる「キャンパス・アジア」共同モニタリング委員会及び共同モニタリング部会を設置しました。共同モニタリング委員会では、モニタリングの重要事項の決定や報告書の承認・確定等を行いました。共同モニタリング部会では、コンソーシアム側から提出された自己評価書の書面調査及び訪問調査の実施、報告書の作成を行いました。

日中韓共同のモニタリング実施手順は下記の図のとおりです。
まず、日中韓の大学で構成するコンソーシアム側に、自己評価書の作成を依頼しました。自己評価書の作成にあたっては、共同モニタリング基準に照らして、参加大学間で十分な調整の上、一つのコンソーシアムにつき1冊の自己評価書を英語で作成するよう依頼しました。提出された自己評価書をもとに、共同モニタリング部会委員が書面調査を実施しました。

次に、10件中3つのコンソーシアムに対しては、共同モニタリング部会委員による共同訪問調査を行いました。訪問先は日本・中国・韓国1か所ずつで、コンソーシアムの構成大学が集まる行事等の機会を利用して実施しました。残りの7つのコンソーシアムに対しては、各国の部会委員が各国の大学に対しヒアリング又は訪問調査を行い、その結果を3か国の部会委員間で共有しました。

その後、各コンソーシアムに対するモニタリングで抽出した優れた取組や課題を集約し、2013年に各国で実施された1次モニタリングの結果も含めた共同モニタリング報告書(案)を日中韓の質保証機関が共同で作成しました。共同モニタリング報告書(案)は、共同モニタリング委員会で承認され、モニタリング結果が確定しました。

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共同モニタリング基準

2次モニタリングのための共同基準は、1次モニタリングの各国の基準を比較・分析し、5つの基準と各基準の下に2つずつ、合計10のサブ基準を設けました。各国で設けた1次モニタリング基準を基礎としながらも発展させ、参加大学間の共同性や海外の大学との共同教育プログラムで得られる付加価値について、さらに重点を置いています。



基準 サブ基準
1.目的と実施 1-1.目的の達成
1-2.実施体制
2.教育プログラムの共同開発 2-1.カリキュラムの統合
2-2.アカデミックスタッフ・教育
3.学生支援 3-1.参加学生の募集
3-2.学習・生活支援
4.共同プログラムの付加価値(成果) 4-1.学生の満足度
4-2.単位互換・学位の授与
5.内部質保証 5-1.自己評価
5-2.継続的な質の保証

共同モニタリング報告書

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CAMPUS Asia Pilot Program Joint Monitoring Report
(2016年10月/「キャンパス・アジア」共同モニタリング委員会)

本報告書は、日中韓の委員が各コンソーシアムに対して実施したモニタリングにより抽出した国際共同教育プログラムの優れた取組や課題を集約したものです。「キャンパス・アジア」における日中韓の質保証の取組をはじめ、モニタリングを通じて得られた基準ごとの優良事例を具体的に紹介しています。

共同ガイドライン

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Joint Guidelines for Monitoring International Cooperative Academic Programs in CAMPUS Asia
(大学改革支援・学位授与機構、中国教育部高等教育教学評価センター(当時)、韓国大学教育協議会)

本ガイドラインは、共同実施した2次モニタリングの経験を基に、国際共同教育プログラムに対する質保証の基準・手法等を明記したものです。 モニタリングを実施する日中韓の質保証機関だけでなく、様々な質保証機関が他国のパートナー機関と共同で国際共同教育プログラムに対しモニタリングや評価を行う際、また高等教育機関が国際教育の内部質保証を行う際の参考となるよう作成したものです。